【研修所だより】: 初島の上空に出現した巨大なUFO雲
 梅雨に入っても、そこそこのお天気が続いています。海の上の雲は、山の雲と違って、面白い形のものがゆっくり流れていて、ぼっと眺めていても飽きないものです。写真のUFO雲は、6月16日のお昼ごろ出現したもので、ハンバーグのような面白い形です。
この時期は、水蒸気が多くなり、海から陸に吹く風は濃い霧を作ります。箱根から十国峠を越えてきましたが、視界10m弱の濃霧で、ターンパイクから直進してきた車と側面衝突しそうになりました。熱海峠を過ぎて標高300mくらいまで下ると、お天気で写真のような状態でした。30Kmほど離れている大島は見えませんが8Km先の初島は良く見えており、視界は15Kmほどです。


 TOPICS

底上げ教育から、ミドル層、トップガン育成へ

   Quality One 2010年 Vol10−No2 寄稿 

モダンソフトウェアテストアカデミー開催の背景と狙い

 日科技連の情報誌 Quality Oneの人材育成に記事を寄稿しました。

ITSSのレベル6/7に相当する高度技術者の割合が、平成19年度の調査で1.8%だったのが、平成21年度の調査では、0.9%と2年間で半減しております。

日本のソフトウェア関連・高度技術者は、育成数と減耗数のバランスが大幅に崩れた、絶滅危惧種状態にあります。ソフトウェア産業の衰退は、底上げ偏重の人材育成や、入門的なプロセス管理の偏重がもたらした結果、生じている潜在的な課題ではないでしょうか。

人材育成に限りませんが、スタッフ部門は、<昨年までの仕事をそつなく繰り返す>ことを大切にします。優秀なスタッフを抱えた企業ほど、時代の変化に対する反応が鈍く、対応が遅れる傾向があます。

オフシェア時代(顧客ーSI−海外リソース)の次に来る競争は、中抜き時代(顧客ー海外リソース)であることは、先行した米国の例でも明らかです。固定費として人的資源を多く抱える企業にとって、時代に合った人的資源の量的スキルシフトが企業の存亡にかかわることも明白です。

2010年度 オープンコースの拡張

 
 オープン参加のテスト技法に関するセミナーとして『デバッグ工学とテスト技法:3日間コース』を2000年から日科技連にて開催してきました。当初の参加者は、現在この業界で活躍している専門家の方を含め、キーマンの方が参加する、上級コースでした。

 その後、若手の方が多く参加するようになり、内容を分かりやすいものに変え、範囲を絞り(レビューや検証指向設計を外した)、演習の充実をはかりながら10年間続けてきました。

 日科技連の3日間コースは、入門編ではありませんが、より高度な技術を学ぶ者にとっては、不足気味になってきたので、開催10年目にあたる本年、オープンコースの構成を大きく変えることにしました。

(1) 入門コース (1日コース)

 今の技術者に不足しているテスト技法は、条件の組合せを合理的にテストするための考え方と手法です。恐ろしいことに、設計やプログラミングにおいても、複数の条件を表現する唯一の技法である、デシジョンテーブルを教えていません。そこで、条件の組合せを対象とし、演習中心で学ぶコースを作りました。

 今年度は、東京の日科技連で年5回の開催を計画しております。
 7月28日、9月28日、11月29日、11年2月8日

(2) エキスパートコース (2日、3日コース)

 ソフト開発が、トップダウンで順次詳細化する流れで行われることから、一つ一つの条件や状態、データのバリエーションについて、部分を担当する技術者が困ることはありません。しかし問題は、結合テスト以降に現れます。機能や業務の組合せとして、大項目、中項目と分割したテストケースでいくらテストを行っても、条件の組合せを網羅することができません。

 あなたの職場で、テスト技法が存在するかしないかは、テストケースの設計書をちょっと見れば直ぐわかります。その判別は、条件の組合せを表現した何らかの表が記載されているか否かです。表があっても、条件の組合せを網羅しているとは限りません、何故なら、適切な技法を使わないと何千、何万の組合せとなり、実現できないテスト仕様となるので、あえて、表を少なくしているからです。

 結合テスト以降において、自信を持って「過不足の無いテストケース」を設計する技法を学ぶために、この研修を用意しております。

 3日間コース 日科技連 8月23日-25日
 2日間コース NECラーニング (今期終了)

(3)プロフェッショナルコース 

 システムの複雑化、多様化と短納期化は、今後も留まることなく進み、品質問題によるリスクは増大する傾向にあります。仕様通りに、しっかり作るだけでは、このリスクに立ち向かうことは難しく、一旦、問題が生ずると膨大な損失が生まれます。

 「バグの無い設計や開発を行う」ことが、原理的にも実践的にも不可能であることは、ようやく、共通の理解が得られるようになってきました。デバッグやテストが必要であることの認識は高まったのですが、「作れらたものをテストする」方式では、限界があり、今以上の合理的なテストは困難です。

 次の時代の技術は、例えば方式設計の段階から、検証を容易にするための内部要件を含んだアプローチです。検証指向設計と呼ぶアプローチが必要になります。例えば、ちょっとしたシステムの保守や派生開発によって、数百万ケースのテストケースが必要な理由について考えて下さい。仕様で与えられた条件の組合せの数ではなく、本来は、機能が動作しない条件の組合せ数が爆発しているのです。独立の条件群の積でテストしなければ、テストが網羅できない構造や、開発プロセスに問題があることに気づく必要があります。

 つまり、次の世代のプロフェッショナルは、テストで露見する課題について、上流遡行を行い、プロセスやプロダクトの構造を変えて行くことが求められます。そのために必要な技術は、テストのモデリングと、プロダクトとしてのシステムのモデリング、あるいは開発プロセスのモデリングをテストと繋ぐスキルが求められます。

 5年間に及ぶトップガン的な人材育成のスタイルとして確立した、下流工程から上流工程の隠れた課題を研究する 「Inverted Study」を用いてこの研修を行います。

 日科技連でのコース名は『モダン・ソフトウェア・テスト(MST)アカデミー6日間コース』です。6日間とは別に個別の課題サポートを行い、実践力を持つプロフェッショナルの育成を狙ったコースです。
 
 公開セミナー
デバッグ工学とテスト技法セミナー 日本科学技術連盟
  2010年8月23日〜25日
  専門家として、テストを体系的に学び、演習を持って実践する力をつけるセミナーです。毎回、活気ある議論が繰り広げられる3日間となります。 
 イベント・記事
PMシンポ2010 9月9日、10日
  国内最大のプロジェクトマネジメント大会です。
この2日目9月10日の午後 13:45〜16:15
OJT依存の人材育成:破綻と対策
 
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更新日 10/11/21